お子様の皮膚科
お子様の皮膚科 診療案内
お子様の肌のこと ご相談ください
お子様のお肌は特にデリケート。
地域柄、成人の方以外にお子様も多く来院されます。
特に、水いぼ(いぼ)、かゆみ、けがなどのご相談が多いです。
当院は全員女性スタッフかつ、こども好きなスタッフがお待ちしております。
お子様に多い皮膚トラブル
子どもの肌には再生力には長けていますが、「乾燥と刺激に弱い」という特徴があります。
子供の皮膚は大人とくらべて皮膚が薄く、皮脂を分泌する機能が未熟です。
皮脂は角質の水分を保持すると同時に、外からの異物の侵入を防ぐ役割があります。肌からの水分蒸発を防ぐための皮脂が少ない子どもの肌は、保湿力が弱く、意外にもドライスキンになりやすいです。
また汗、唾液、紫外線、化学製品などといった外からの刺激を受けると、容易に皮膚トラブルを生じます。
したがって子どものスキンケアではいかに「保湿」をするかが重要なポイントとなってきます。秋冬の乾燥する時期だけではなく、一年間通して保湿してあげることが皮膚のバリア機能を高め、様々な皮膚トラブルの予防にもつながります。
お子様が自分自身で症状を訴えることは難しいため、保護者の方が日頃からよく観察し、何か気になることがございましたらお早めにご相談ください。
乳児湿疹
乳児期に起こる湿疹の総称であり、原因には様々なものがあります。頬やひたいなどに現れやすく、肌が赤くなったり、小さい水ぶくれができます。生後2週間を過ぎた頃から現れ始め、1歳を迎える頃には治まるのがほとんどです。必要に応じて弱いステロイド軟こうによる治療を行います。
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎とでは症状は似ており、「乳児期では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上湿疹が続いている」などいくつかの項目を満たしたことでアトピー性皮膚炎と診断します。
おむつかぶれ(接触性皮膚炎)
おむつが直接接触する部分が赤く、ジクジクしてしまう状態です。原因として、おしっこやうんちによる刺激ですが、様々な要素が絡み合って起こります。また、おむつ内の環境も影響するため、こまめにおむつ替えをして、その都度おしりや性器を洗ってあげるようにしましょう。なかなか改善しない場合は、医療機関を受診して、適切な治療を受けるようにしましょう。
水いぼ(伝染性軟属腫)
伝染性軟属腫ウイルスが原因で発症します。幼児期から小学校低学年の児童に多く、特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎のある患者様に多く見受けられます。患部に接触したり、患部を触ったものを介して感染するなどして、増えていきます。特にプールでのタオル、浮き輪、ビート板の共有で感染すると言われているため、夏に多くみられます。直径数mmの白っぽく隆起したできものが身体や手足に認めます。放っておいても半年ほどでなくなりますが、感染力が強いことや、プールを禁止されてしまうこともあり除去する場合が多いです。水いぼをとる場合は専用のピンセットでつまんで除去するため、お子様の痛みを軽減するため、麻酔のテープやクリームを用いて行っています。
ペンレステープの貼り方
- ハサミなどで小さく切ってから、一つ一つに密着する様に貼ってください。
- 処置を行う30分~1時間前に貼ってください。長く貼っていると反対に麻酔効果が弱くなる場合があります。
- 汗をかくとテープがはがれ、麻酔効果が薄れるため処置するまではなるべく涼しい環境でお過ごしください。
- 上から紙テープなどを貼ると、剝がれにくくなります。
- 数が多い方は一度に全てを取りきることは困難なため、貼る箇所は、なるべく 10-20個程度までにして下さい。
イボ(尋常性疣贅)
ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)による感染症です。かさかさした皮膚、傷がある皮膚、子供のやわらかい皮膚など、ウィルスがつきやすい状態で発症します。手の指や足の裏によく見られ、最初は平らで小さくても、徐々に大きくなって盛り上がり表面がかさぶたのようになってきます。痛みや痒みはありません。なかには自分で除去しようと削られる方もいらっしゃいますが、かえってイボを増やしてしまう可能性があります。いぼの治療は、液体窒素療法(冷凍凝固処置)や、サリチル酸による治療、局所麻酔手術(部位による)などがあります。基本的には「クライオプロ」を使用した、冷凍凝固療法を行いますが、1回で治癒することは困難ですので、1.2週間おきに複数回通院していただく必要がございます。
あせも(汗疹)
汗をたくさん掻いた後に、皮膚に細かい水ぶくれや湿疹が現れる状態です。背中、首、腹、ワキの下にしばしば発疹ができます。発症の原因ですが、身体の体温調節をするエリクソン腺(汗の出口となる汗腺)の出口が詰まることで起こります。
この詰まる状態というのは主に3つのケースがあると考えられます。それは、皮膚の表皮部分にある表皮の有棘層で出口がふさがる紅色汗疹、同じく角質層で出口がふさがる水晶様汗疹、さらに表皮の下にある真皮で出口がふさがる深在性汗疹です。治療としては、皮膚をなるべく乾いた状態に保ち、必要に応じてステロイド外用薬や抗生剤などを用います。
とびひ(伝染性膿痂疹)
ブドウ球菌や溶連菌などの細菌による皮膚感染症で、あせもや虫刺され、湿疹などを引っ掻いてできた傷や、転んで生じた傷より二次感染を起こしたものです。軟膏治療および抗生剤の内服、場合によっては点滴投与を行います。溶連菌による重症感染例では、稀ながら腎障害の合併が見られることがあるため、尿中たん白のチェックが必要になります。
けが、ヤケドをしてしまった
けがやヤケドはいつ起こるか予測できないため、予約が取れなくても、まずはお電話にてご相談ください。
けがといっても切り傷、擦り傷、打撲・・・など様々なものがあります。ごく浅いものは何もしなくとも治りますが、深かったり、砂利などの異物が入ってしまった場合は適切な処置をしないと感染の原因にもなります。最初に適切な処置をしたかどうかが、その後の経過に左右します。また20歳くらいまでの方の場合、幼少期に3種混合や4種混合のワクチンを接種していれば問題ないのですが、このワクチンの効果は20歳くらいで切れると言われています。そのため、20歳を過ぎている方は破傷風の予防接種も打つことをお勧めしております。
擦り傷(擦過傷)
擦り傷ができたら、まず石鹸を用いて傷口の砂や泥などを水道水で十分に洗い流しましょう。小石やガラス片、砂やアスファルトなどがみられるときには、病院を受診し、麻酔をして確実にとり切る必要があります。砂などが残ると、外傷性タトウーといってずっと残ってしまいます。また十分に洗わない状態で、完全に密着してしまうタイプの絆創膏を貼ってしまうと、逆に菌を増やして感染のリスクが上がってしまいます。使うタイミングを間違えないことが大切です。
当院では麻酔をした上で歯ブラシなどを使用して十分に異物がなくなるまでブラッシングします。その後、軟膏や被覆材(絆創膏など)を使用し、傷を乾かさないようにすることが傷の治りを早めるだけでなく、綺麗な傷跡になります。
切り傷(挫創、切創)
皮膚が机の角など鋭利なものにぶつかると切り傷ができることがあります。皮膚のごく浅い「表皮」だけが切れた場合は、すぐに血も止まりますし、縫合しなくても平気なことも多いです。しかし、皮膚の下、場合によって脂肪がみえるまでぱっくり開いた傷は、縫合しないと幅広で見た目が悪い傷跡になるだけでなく、治るのに時間を要し感染する心配があります。
けがをしたら病院を受診し、傷の中に異物がないか、また神経や腱、血管損傷がないか確認が必要です。とくに問題なければ、局所麻酔ないし全身麻酔で、傷の中を十分に洗浄した後に適切に縫合してもらいましょう。形成外科ではけがでできた傷も、丁寧に縫合します。そうすることで治った後、半年1年と経過すると、かなり目立ちにくい傷跡になります。当日の受診が難しければ翌日までに受診することをお勧めします。
刺し傷(刺創)
浅い刺し傷では刺さったものを抜いて、洗うだけで問題がありませんが、深い刺し傷では、刺さったものは自分で抜かずに直ちに受診しましょう。レントゲン検査やCT検査でガラスや釘など異物が残っていないかを確認します。また魚の釣り針などの場合、針に返しが付いているため引き抜くことが出来ません。麻酔をして少しメスで切って、針を進めることで取ります。特に錆びた釘などは感染のリスクが上がるため抗生剤を飲んでいただく必要もあります。必ず医療機関を受診するようにしましょう。
咬傷
動物に噛まれた場合や、人の歯が当たった場合、何よりも感染に留意しましょう。とにかくよく洗うこと、抗生剤を予防内服する必要があります。縫合することで菌を閉じ込めてしまう可能性もあるため、よほど大きな傷でない限り縫いません。場合によっては麻酔をして、切開を追加し、菌を出しやすくします。数日間は通院もしくは注意して観察していただく必要があります。
打撲創(挫滅創)
強い力で皮膚や皮下組織が圧迫されることで生じ、腫れや内出血を伴います。交通事故や転倒、スポーツなどで鈍的な力が加わることでできます。氷などで冷却することで、腫れや、痛みの軽減を図ることができます。また、腫れや痛みの程度が強い時は骨が折れていないかレントゲンで確認する必要もあります。
特に最初のうち見た目に問題がなくても、深部の損傷がひどい場合、たんこぶのように血の塊ができ、徐々に皮膚の色が悪くなってくることもあります。この場合色の悪くなった部分を切り取ったり、また中に溜まっている血液を抜いたりする必要があります。数日は安静にし、傷をチェックするようにしてください。
やけど(熱傷)
やけどをすることで皮膚の一部(表皮、程度によっては真皮、脂肪まで)を失います。そのため皮膚のバリア機能が損なわれ、外部からの細菌や皮膚常在菌による感染に留意しなければなりません。広範囲のやけどや深いやけどでは入院や手術治療を要することもあります。また、お子様や高齢者の方のやけどは重症になる場合もございます。適切な加療を行うことは傷の治りを早めるだけでなく、感染のリスクをも減らすことが出来ます。やけどをしないように気を付けることはもちろんですが、万が一やけどをしてしまった場合は専門医の受診をお勧めします。
やけどの程度(Ⅰ→Ⅲになるにつれ、深くなります)
- Ⅰ度:いわゆる日焼けの状態です。赤くなり、ひりひりしますが、数日で後を残さず治ります。
- Ⅱ度:水ぶくれができた状態です。Ⅱ度の中でも浅いものでは2週間程度で治りますが、深いものになると1か月近く治るのに期間を要するほか、手術が必要となります。最初の時点では深いか浅いかの判断は難しく、経過を見ていく中で判断します。やけどを負った時の応急処置や、患者さんの年齢、受傷の状況、治療中の感染、など様々な要因が関与してきます。
- Ⅲ度:黒こげもしくは白くなってしまっている状態です。この場合痛みを感じません。火によるやけどや油によるヤケドでは深くなりやすいです。
やけどを負ってしまったら・・・
まずは冷水で15-20分冷やしましょう。身に着けているものを脱いだり取るよりも、とにかく冷やすことが大事です。その後、専門の医師のいる医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。
また、カイロや湯たんぽ、温風などのあまり温度の高くないものでも長時間接しているとやけどを負ってしまいます。その場合かなり深い傷になることもあり、治るのに1か月以上要することもあります。十分に留意してください。
足の爪トラブル(巻き爪)
運動やハイヒール等の先の細い靴が原因で爪の形が変わることがあります。爪の食い込みにより痛みを伴うだけでなく、食い込んでいる爪の端が膿んでジュクジュクしてしまうこともあり、この場合は大変な痛みを伴うこともございます。ワイヤーによる治療(自費治療)や局所麻酔手術の治療にて症状を改善することが出来ます。
巻き爪(弯曲爪、陥入爪)
男女を問わず、巻き爪の症状で悩んでいる方が増えており、患者さんの数は約10人に1人の割合と言われています。巻き爪になるのは、負担のかかりやすい親指の爪であることが多いのですが、その他の指の爪も巻き爪になることがあります。巻き爪が進行すると激しい痛みを生じるだけでなく、足をかばおうと、足首やひざ、腰にも負担がかかり、捻挫やひざ痛、腰痛の原因になることもあります。「陥入爪(かんにゅうそう)」「弯曲爪(わんきょくそう)」「爪甲鈎弯症(そうこうこうわんしょう)」という3種類に分かれております。爪がくるっと巻いてアルファベットのCのようになっているものを「弯曲爪」、平らだけど端の皮膚などに食い込んだ状態になっているものを「陥入爪」といいます。
弯曲爪、陥入爪の原因としては
- 間違ったサイズの靴やハイヒール
- 深爪
- 指への打撃(スポーツ等)
- 体質
また「爪甲鈎弯症」は年配の方に多く見られ爪が分厚くなってしまっている状態で、ヤスリなどで爪の形を整えることで対処します。